2024年6月22日土曜日

『祭りの夜』こぼれ話

 『祭りの夜』 本文

元ネタは『獣の奏者 外伝 刹那』収録の表題作(のお祭りデート)。読んだばかりの頃、『刹那』の劣化パロとしか言えないような話を書いてそれきり放置していた。

それでもいつかお祭りデート話は書きたいと思っており、このたび割と納得できる形になったので公開してみた。

「子供に物を食べさせるお父さん」のくだりは、灰谷健次郎 『少女の器』の中のエピソードをパクった。これは、主人公が父親と出掛けた居酒屋で、おじいさんが孫に何かを食べさせているのに目を留めるという場面だが、人間の美しさをこれでもかと描写した名文なので是非読んでいただきたい。

2024年6月13日木曜日

バカップル

※他人の悪口です。

最初に勤めた会社で、配属された部署(係)にいたのは女の係長、その部下の男、3つ先輩の女の3名だった。正確には同部署にもう3名男性(うち1名は部長)がいたが、携わっている業務が別だったので会話する機会はあまりなかった。

女係長は部下である男と婚約しており、冬に寿退社することになっていた。

この部署(というか部屋)は、部長を入れて7人しかおらず、部長は外回りで社内にいないことがほとんどだった。

で、女係長と男は、部長がいないときに怒鳴り合いの喧嘩(たいてい業務上のことがきっかけ)をすることがあり(と言ってもたいてい女係長の方がヒステリックに怒鳴り散らしていた)、女係長が資料のファイルを男に投げつけたり、シャープペンシルを投げつけ、それが逸れて別係の男性(知らん顔を決め込んで仕事をしていた)の頭に刺さったりしたこともあった。

土曜出勤の際、このバカップルが喧嘩を始めたことがある。その日は私の他に人がいなかったため余計にヒートアップして、私はびくびくしながらパソコン作業をしていた。
しかしながら、女はひとしきり怒鳴り終えると、今度は見ていて吐き気を催すほどいちゃいちゃし始めた。

で、終業時間になり帰ろうとしたが、あまりにその場から早く逃げたかったためにうっかり日報の作成を忘れていた。普段から私のミスを見咎めてネチネチと嫌味を言う女係長、この日は男と結託して私を罵った。実に楽しげだった。

係長が退職する日、係長本人と私の先輩(係長の腰巾着)だけは涙を流していたが(たぶん演技)、私を含め他の人(係長の夫は除く)はその様を白けた目で眺めていた。

バカップルの結婚祝いにメッセージを書けと先輩に命令された(社内の女子社員は全員書かされた)。「おめでとうございます。末永くお幸せに。」とたった一言書くのがあれほど苦痛だったことは、後にも先にもない。

バカップルの結婚式の二次会に呼ばれた(小さな会社だったので会社中の人間を呼んでいた)。行きたくなかったが、行かないと残った男にどんな目に遭わされるか分からなかったので渋々出掛けた。奴らは割と金はあったので、そこそこ豪華な式を挙げた上、二次会もそこそこ金を掛けていたようだった。しかしながら何を食べたのか全く記憶にない。あいつらが不幸せになればいいのに、と心から願った。

係長が辞めてからは、係長の夫が新たに係長に昇格し、腰巾着だった先輩と2人して私をいびって楽しんでいた。女は元の会社の取引先に再就職し、元の会社の若い子を怒鳴りつけたりと好き勝手やっていた。私は翌年の夏にこの会社を辞めた。

あれから20年経つ。奴らには子供も生まれ、傍目には幸せに暮らしているらしい。周りからどれだけ嫌われているか知りもしないまま、周りを不幸にして奴らは今日も幸せなのだろう。死ぬよりひどい目に遭ってほしいなあと今でも時々思う。

2024年6月7日金曜日

推しカプの幸せ

 漫画家の「お肉おいしい」さん(pixiv、X)のこの漫画↓


 

首がもげるくらいうなずいた。

2024年5月27日月曜日

『二人の休日』こぼれ話

 『二人の休日』本文→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22081331(R-18作品です)


元ネタは、江國香織『落下する夕方』より。主人公が元彼との幸福だったあれこれを思い出す場面で、「日曜日の昼間のセックス」というのがある。

日曜日、朝寝坊した後何度も怠惰なセックスをして、夕方目が覚めるとおなかがぺこぺこになっている。そこで二人で連れ立って近所のお蕎麦屋に行く――というようなくだり。なんかいいなあと思った。

「一人の男と時間を共有しているときの、ずぶ濡れになるような幸福」だったか(手元に本がないのでうろ覚えだが)。ありふれた恋愛をここまで美しい表現で描く江國香織はやっぱりすごい。

あと、セックスの終わりにキスをするというのは、阿刀田高『怪談』のパクリ。主人公が初めて愛する彼女と結ばれたときの最後のキスが、心に沁みるほど美しかったので真似してみた。

この小説は、作家 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の伝記パートと、彼の作品と人生に興味を持った現代(と言っても新聞連載していたのは1997年だが)の男女が、八雲の足跡を辿りながら愛を深めていくという恋愛パートで成り立っている。文学・地理・歴史の勉強をしつつ主人公たちの愛に感動することができるので、言い方は変だがお得感満載でお薦め。

2024年5月24日金曜日

『りんごと雨の日』こぼれ話

 『りんごと雨の日』本文→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21663399

割と気に入っている話。

作中の二人でりんごを分ける場面は、谷山浩子の『夕焼けリンゴ』の歌詞をモチーフにした。

尤も、この歌は「一人の男(いや、別に女でもいいのだが)を愛した二人の少女(いや、片方=主人公は男でも構わないが)が、無人駅で一緒に列車を待っている」というちょっとしたドロドロ劇を想像させる内容なので、『りんごと雨の日』の内容とは全く関係がない。

2024年4月28日日曜日

エンリカ


 小説の表紙絵に描いた。

参考→https://pixta.jp/illustration/98376329

2024年4月12日金曜日

はじめの一歩

 「子供が初めて歩くのを見るのは、保護者の特権」というのが勤め先の保育園の掟である。

すなわち、今まで歩いていなかった子供が園で歩いても、保護者の方が「家で歩きました」と言わない限りは「今日、○○ちゃんが歩いたんですよー」と報告してはならない。

確かに、今までハイハイや伝い歩きばかりだった子供が一人で立ち、第一歩を踏み出す姿を見ると「キャー!○○ちゃんすごーい!」と騒いでしまうくらいに感動する。この感動は、保護者(主にお母さん)が最初に味わうべきものだというのも分かる。

今日も、今までハイハイをしていた1歳児が、すくっと立ち上がり、よたよたと2~3歩歩いたので、周りにいた職員数名で「キャーーー!○○ちゃんすごーい!」と拍手してしまった。当該○○ちゃん、ドヤ顔で何度も立ち上がっては、満面の笑みで自分で拍手していた。かわいい。

『てのひらの月』こぼれ話

『てのひらの月』本文   モチーフにしたのは中島みゆきの『白菊』(アルバム『月-WINGS』収録)と、小川未明の『月夜とめがね』。 露天風呂で月を見ていて、『白菊』の歌詞の真似をして手にお湯を掬い月を映してみた。ものすごく小さくしか映らず、期待していたのと違ってがっかりした。それ...