アンデルセン童話の『こうのとり』という話が印象に残っている。
コウノトリをいじめる内容の歌を歌う男の子と、それをなだめる男の子を見て、コウノトリのお母さんが我が子たちに「私たちは、人間の赤ちゃんを運ぶのが仕事なの。意地悪な男の子のところには死んだ赤ちゃんを、優しい男の子のところには弟と妹をいっぺんに連れて行ってあげましょう」と話す という物語。
私は、この話を読んだ時小学校の低学年だったが、「コウノトリめ、弟や妹なんか要らないという子供だっているのに、とんでもないことを考えるものだ」とコウノトリの母親に対して怒りを覚えた。 これは、私は弟が生まれてもあまり嬉しくなかったことや、弟が乳幼児の頃、「あーマジ弟なんかいらねー!」という状況(描いた絵に落書きされた、おもちゃを壊された、お菓子を食べられた等)に何度も直面したことによる。
大人になった現在でも、「優しい男の子の家が貧しくてそれ以上子供を育てられなかったら、優しい男の子が奉公に出されて奉公先でつらい思いをするかもしれない。コウノトリの考えはあまりに軽率なのでは」と思う。
アンデルセンがこの考えを聞いたら「それは違う」と反論するかもしれないが、この話は現代の価値観にはあんまり合わない気がする。弟や妹が欲しいという子供も確かにいるけどね。
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