2024年2月18日日曜日

くさいラーメン

5歳の頃、父親が熊本の桂花ラーメンを冷蔵庫に入りきらないくらい注文したことがあった。

それから来る日も来る日も、桂花ラーメンを食べさせられた。ご存じの方もいらっしゃるだろうがこのラーメン、独特の強烈な臭気が特徴である。5歳の子供にとって、これは拷問に等しかった。

私が「臭いから嫌だ」と訴えても、「こんな美味いものを残すことは許さん!」と父親から一喝された。そのうち鼻息を止めるとにおいが分からなくなることに気付き、私は鼻息を止めて口呼吸しながらラーメンを食べた。

父親は数週の間、1日2~3食の桂花ラーメン生活を続けた結果、胆石になった。そしてそれから数年間、全くラーメンを食べられなくなった。

父親は発達障害だったのだと思う。気に入ったものを毎日毎食食べ続ける生活を数か月ないし数年続け、飽きると一切見向きもしなくなる。それだけならまだしも、他人にも自分がハマった食べ物を強要するので非常に迷惑だった。

それはともかく、私は成人するまで豚骨ラーメンが苦手だった。たぶん、今なら桂花ラーメンも美味しいと思って食べるかもしれない。ただ、毎日食べ続けるのは無理だと思う。

2024年2月14日水曜日

さよならレモンタルト

 二次創作とは無関係の日常ネタ。

先週、ある喫茶店の存在を知った。気に入っている珈琲店の姉妹店で、パスタがおいしいらしい。いそいそと出掛けたら、私の好物のレモンタルトもあることが分かった。

ただ、その日は別の店でチーズケーキを食べた後だったので、パスタだけ食べて(本当に美味しかった)後日レモンタルトを食べようと心に決めた。そして今日、仕事で非常に疲れた上に乗りたかった電車を逃した腹いせにこの店に行くことにした。

半地下にある店への階段を下りていくと、扉に貼り紙が。「今日で閉店します」と書かれていた。そうか、この店の最終日に滑り込んだのだなとちょっと感慨に耽り、席に着いてメニューを見たら、お目当てのレモンタルトは売り切れだった。

「レモンタルトはもうないんですか?」と訊ねると、「今日で閉店なので……」と返された。ケーキは、一種類を除いて全て売り切れ。レモンタルト(もしくはアップルパイ)しか頭になかったので、非常に悲しかった。

泣き叫びながら店を飛び出したかったが、さすがにみっともないのでブレンドコーヒーを一杯、ゆっくりじっくり飲んで店を出た。ちなみに、ここの姉妹店ではブレンド以外は同じ銘柄のコーヒーが50~100円引きの値段で飲める。だがレモンタルトだけはここにしかない。それも、もう永久に口に入らなくなってしまった。

この店のことをもう少し早く知っていれば。あるいは、昨日までに来ていれば。あれこれ考えてももう遅い。気になる店、食べたいものが見つかったら、すぐに食べに行くべき、と改めて身に沁みた。

『ゆうべ見た夢』こぼれ話

  『ゆうべ見た夢』(R-18) 地元のラジオ番組でかなり昔(四半世紀くらい前)に紹介された、「子供に夫婦の営みを見られちゃった事件」を参考に書いた。 (以下、センシティブな表現を含むので読みたい人だけどうぞ)